アーキテクチャ
Tessa は 3 つのプログラムで構成されます。
tessa— wlroots コンポジタ兼ウィンドウマネージャ。tessa-panel— 壁紙、タスクバー、ランチャーを担当する Wayland クライアント。Tessa は出力ごとに 1 つのパネルプロセスを起動し、各パネルはTESSA_PANEL_OUTPUTで 1 つのwl_outputに結び付けられます。tessa-ctl— 拡張プロトコルの CLI 兼リファレンス実装。拡張はこの CLI に限らず、任意のローカルプロセスで構いません。
両者は Unix ストリームソケットで通信します。シェルを別プロセスに置くことで、 パネルがクラッシュしてもコンポジタは落ちず、テキスト/フォント/UI 関連の コードがコンポジタのホットパスに入りません。カスタマイズモデルと設定 リファレンスは CUSTOMIZATION.ja.md にあります。
プロセスとプロトコルの構成
Section titled “プロセスとプロトコルの構成” ┌─────────────────────────────┐ │ tessa │ │ wl_display │ DRM / headless / ───▶ │ wlr_backend │ ネスト Wayland │ wlr_renderer / allocator │ │ wlr_scene (global) │ │ xdg-shell │ │ wlr-layer-shell │ │ xdg-decoration │ │ xdg-activation / cursor-shape│ │ text-input-v3 / input-method-v2│ │ wlr-screencopy-v1 │ │ linux-dmabuf-v1 │ │ ext-image-copy-capture-v1 │ │ ext-output-image-capture... │ │ ext-foreign-toplevel-list │ │ wlr-foreign-toplevel-mgmt │ │ wl_data_device + primary │ │ wlr-data-control-v1 │ │ virtual-keyboard-v1 │ │ seat / cursor / keyboard │ └──────┬───────────────┬───────┘ │ │ Wayland クライアント│ │ spawn + DISPLAY + tessa-panel │ ▼ ────────────────┘ xwayland-satellite │ ▼ X11 アプリクライアントとパネルには Wayland を使います。コンポジタ↔パネルの制御
チャネルは、あえて独自の Wayland プロトコルにしていません。行ベースの
ソケットプロトコルなら socat や tessa-ctl で簡単にデバッグでき、任意の
言語から利用でき、バインディングを生成し直す必要もありません。
events.zig がイベントプレーンです。イベントの整形、設定フックの実行、
購読クライアントへの配信を担当します。
シーングラフの順序
Section titled “シーングラフの順序”すべてのシーンツリーは wlr_scene.root の子で、下から上へ次の順です:
tree_bg 壁紙 / background layer、背景矩形のフォールバックtree_bottom layer-shell bottomtree_windows タイルされたクライアントのフレームtree_floating フローティングクライアントのフレームtree_top タスクバー(layer-shell top)tree_fullscreen フルスクリーンクライアントのフレームtree_effects 閉じるアニメーションのスナップショット(通常ウィンドウより前面)tree_overlay ランチャー(layer-shell overlay)tree_popup 入力メソッドの候補ポップアップ(ime.zig が作成、最前面)フルスクリーンツリーは意図的に top layer より上にあり、フルスクリーンの クライアントがバーを覆います。ランチャーオーバーレイはフルスクリーンより 上なので、常に操作できます。IME ポップアップツリーはこれらの後に作成される ため、候補ウィンドウはランチャーやクライアントより前面に表示されます。
クライアントのフレームは wlr_scene_tree で、次を含みます:
- フレームの外側へ広がる半透明の
wlr_scene_rectシャドウ 3 枚 - サーフェスの背面にある
wlr_scene_rect(ボーダー/アクセント) wlr_scene_xdg_surface_createが返す xdg サーフェスツリー
フレームツリーの node.data は Client を指します。ポインタのヒット
テストは、そのポインタが見つかるまで親ツリーをたどります。xdg サーフェスの
data はサーフェスのシーンツリーを指し、ポップアップを正しい位置に
ペアレントできるようにしています。
トップレベルのポップアップはトップレベルのシーンツリーにペアレントされます。
layer-shell のポップアップは、xdg_popup 作成時点では xdg の親を持ちません。
zwlr_layer_surface_v1.get_popup で親が割り当てられると layer サーフェスの
new_popup イベントが発火します。output.zig がこのイベントを監視し、
layer サーフェスのツリーの下にポップアップのシーンツリーを作成します。
これによりサードパーティパネルのメニューやドロップダウンが表示されます。
Direct scanout、tearing、explicit sync
Section titled “Direct scanout、tearing、explicit sync”src/render.zig が出力コミット経路を担当します。onOutputFrame は
アニメーション/エフェクトを進め、render.refreshScanout() を呼び、
wlr_scene_output_needs_frame()(wlr_scene_output_commit() と同じ
早期終了条件)を確認してから、wlr_scene_output_build_state() で出力状態を
構築してコミットします。
Direct scanout は render list が 1 エントリのときだけ成立します。出力全体を
覆うフルスクリーンクライアントでは、refreshScanout() が bg_rect、
background/bottom/top layer の layer-shell サーフェス、他の可視クライアントの
フレーム、対象クライアントの blur node を無効化します。overlay と
tree_effects はそのまま残すため、通知やランチャーが見えている間は自動的に
compositing へ戻ります。復元時は背景、mapped な layer ツリー、可視クライアント
のフレームを再び有効化し、ウィンドウエフェクトを再適用します。
direct_scanout=false はこの状態機械全体を無効化します。
Tearing は
wlr_tearing_control_manager_v1_surface_hint_from_surface() が async ヒントを
返した場合だけ要求します。コミット経路は state.tearing_page_flip を設定し、
wlr_output_test_state() で事前検証して、バックエンドが拒否した場合はフラグを
戻します。tearing=off|fullscreen|force とウィンドウルールの tearing で
対象を選びます。
Explicit sync は explicit_sync=true かつ
renderer.features.timeline と backend.features.timeline が真で、
renderer/backend の DRM fd がある場合だけ公開します。manager はクライアント
接続前の render.init() で作成するため、設定変更には再起動が必要です。
scenefx/GLES2 は timeline 対応を報告しない場合があります。
出力別のフレーム時間サンプル、presented/zero-copy/vsync/missed、
direct scanout サンプル、tearing 試行回数は Output.perf に保持し、
グローバルの Server.perf はフレーム時間を集計します。tessa-ctl perf は
両方を表示します。
エフェクトバックエンド
Section titled “エフェクトバックエンド”既定ビルドは scenefx 0.5 のシーン実装を使います。src/scene_include.h が
scenefx 0.5 のヘッダを選び、main.zig は wlr_renderer_autocreate() の
代わりに fx_renderer_create() でレンダラーを作成します。scenefx のシーン
関数と wlroots のシーン関数は同じ wlr_scene_* シンボルに解決されるため、
Tessa の残りのシーングラフコードはそのまま動きます。このビルドは GLES2 が
必要で、WLR_RENDERER=pixman では実行できません。-Dscenefx=false では
upstream wlroots のシーン実装を使います。
window_effects.zig は常にクライアントの不透明度と tint 矩形を適用します。
-Dscenefx=false ビルドで no-op になるのは scenefx 専用実装で、既定の
scenefx ビルドではさらに次を行います:
- 各クライアントのルートシーンバッファを見つけ、
corner_radiusをCORNER_LOCATION_ALLで適用する。フルスクリーンでは半径を 0 に戻す - クライアントのボーダーと 3 枚のシャドウ矩形も同じ半径で角丸にする
- クライアントバッファと、top/overlay/popup ツリー内のバッファノードに 背景ブラーを有効化する。不透明領域には影響しない
blur_radiusとblur_passesをwlr_scene_set_blur_data()に渡す
tint 矩形はボーダーの内側、コンテンツの上に置かれ、アルファが 0 より大きい フレームは direct scanout をブロックします。scenefx ビルドではコンテンツの 角丸に追従します。
scenefx は最適化ブラーフレームバッファが未作成の間、ブラーごとに
フォールバック警告を出します。configure() は共有バッファを一度確保させる
ため、非表示の 1×1 optimized-blur ノードを 1 つ作りますが、通常のブラー
経路はそのまま使います。設定再読み込みではシーン全体のブラー設定と、
クライアント/レイヤーごとの状態を再適用します。
ウィンドウの動き、閉じるエフェクト、シャドウ
Section titled “ウィンドウの動き、閉じるエフェクト、シャドウ”動きはクライアントフレームノードの位置オフセットで実現し、論理的な
x/y は Client に保持したままです。startOpenAnimation() は map
直後のウィンドウを縦 18 px ずらし、startWorkspaceAnimation() は新しい
ワークスペース上の map 済みウィンドウを進行方向に応じて横 ±54 px
ずらします。tickAnimations() が解決済みの開く/WS カーブ(ウィンドウ別
上書き、なければグローバル)と解決済みの再生時間を使って
x + off_x、y + off_y をシーンノードへ書き込みます。
applyFrame も現在のオフセットを加えるため、遷移中の再レイアウトで
ウィンドウが飛びません。出力のフレームコールバックが時計を進め、
onOutputFrame は commit 前にアクティブなアニメーションを更新し、
残っていれば次のフレームを要求します。
animations = false または reduce_motion = true でオフセットを付けません。
animation_ms = 0 はフォールバック時間だけを 0 にし、種類別やウィンドウ別の
明示的な時間は引き続き適用されます。設定リロード時は新しいジオメトリを
適用する前にアクティブなアニメーションを消去します。
コンポジタ起点の閉じる操作は effects.zig のスナップショット経路を使います。
requestClose() は wlr_xdg_toplevel_send_close を送る前に、現在の
クライアントバッファを wlr_buffer_lock でロックし、ソースボックス、
変換、サーフェスサイズを記録します。この追加ロックは unmap まで Client
に保持されるため、アニメーション開始前にクライアントがバッファを再利用
できません。clientUnmapped() はロック済みバッファを使って tree_effects
配下の一時的なシーンツリーを作成し、シャドウ矩形、輪郭を形成する 4 枚の
ボーダー矩形、wlr_scene_buffer を追加します。シーンバッファが独自の参照を
取得してから、クライアント側のロックを解放します。tick() が
スナップショットを解決済みの close カーブと再生時間で
animation_close_scale(既定 92%)まで縮小し、
コンテンツ、ボーダー、シャドウを透明にします。出力のフレームコールバックは
レイアウトアニメーションの後に閉じるエフェクトを更新し、残っていれば次の
フレームを要求します。tree_effects はフルスクリーンのクライアントより
前面、ランチャーオーバーレイより背面にあり、セッションロック時は他の
デスクトップツリーと一緒に隠れます。クライアント自身が閉じた場合は unmap
イベントの時点でサーフェスバッファが消えているため、即時に削除されます。
シャドウは上記の事前作成したシーン矩形 3 枚で、updateShadows() が
フレームに合わせてサイズを変え、shadows = false で無効になります。
layer-shell のサイズ計算
Section titled “layer-shell のサイズ計算”layer サーフェスは output.zig が overlay → top → bottom → background の
順に設定します。排他サーフェスを先に、非排他サーフェスを後に処理します。
wlr_scene_layer_surface_v1_configure() がサーフェスのボックスを計算し、
使用可能領域を縮めます。
パネルのバーは既定で高さ 44 px、上端アンカー、上マージン 12 px、
排他ゾーン 44 px です。bar_height、bar_top_margin、bar_side_margin で
変更でき、設定リロード時に値が変わるとバーの layer surface を再作成します。
そのためタイル領域はバー上端 + 高さに outer_gaps を加えた位置から
始まります。
arrangeLayers() は使用可能領域が変わったときだけタイル済みクライアントを
再配置します。layer の commit/map/unmap と出力作成時に呼ばれます。
各パネルプロセスは明示的な出力オブジェクトを指定して layer サーフェスを 作成するため、バーと壁紙はそれぞれのモニタに配置されます。ランチャーは フォーカス中の出力のパネルだけがイベントに応答して、その出力の上に オーバーレイを作成します。新しいトップレベル、出力未指定の layer サーフェス、キーボードのワークスペース操作には、コンポジタが保持する フォーカス中の出力が使われます。
キーボードフォーカスは EXCLUSIVE layer の map 時に取得します
(keyboard_interactive == EXCLUSIVE かつ layer >= top)。ON_DEMAND の
layer(Quickshell の focusable パネルなど)は map 時ではなくクリック時に
フォーカスします。layer 上のクリックはトップレベルのフォーカス処理より先に
消費するため、非対話バーをクリックしてもアクティブウィンドウのフォーカスを
奪いません。unmap または destroy 時は、直前にフォーカスしていたトップレベル
へ戻します。text-input も同じ遷移に従い、layout.focusLayer() と
layout.focusClient() がサーフェスの実際のシーン原点を添えて
ime.focusSurface() を呼ぶため、セカンダリ出力でも IME ポップアップが正しい
位置に表示されます。
layer ポップアップは layer のシーンツリー配下に作成し、
wlr_xdg_popup_unconstrain_from_box() で出力ボックス内に制約します。出力が
消えるときは、その出力に属する layer サーフェスを Output の free 前に
wlr_layer_surface_v1_destroy() で閉じます。プロトコルの closed が送られ、
layer コールバックが古い出力を参照しません。外部の排他サーフェスは Tessa の
バーと同じように領域を予約します。Tessa Panel は既定で起動され、外部バーの
出現時に自動では無効になりません。同じ辺に 2 本置くと領域を二重に予約します。
各パネルプロセスは明示的な出力オブジェクトを指定して layer サーフェスを 作成するため、バーと壁紙はそれぞれのモニタに配置されます。ランチャーは フォーカス中の出力のパネルだけがイベントに応答して、その出力の上に オーバーレイを作成します。新しいトップレベル、出力未指定の layer サーフェス、キーボードのワークスペース操作には、コンポジタが保持する フォーカス中の出力が使われます。
ext-workspace とトップレベル状態
Section titled “ext-workspace とトップレベル状態”ext_workspace.zig が wlr_ext_workspace_manager_v1 を作成します。出力ごとに
1 つのワークスペースグループと 9 個のワークスペースハンドルを持ちます。
ハンドルは設定名(未設定なら番号)、1 次元の coordinates、active/urgent
状態を公開し、capability は activate のみです。Tessa のワークスペース数は
固定なので create/remove/assign は広告しません。commit リスナーは
layout.zig の initExtWorkspace() に置き、activate 要求を
switchWorkspaceOnOutput() へ渡します。ワークスペース切り替え、移動、
urgent 変更、出力の追加/削除、設定リロードで ext_workspace.syncOutput() を
呼びます。
foreign-toplevel ハンドルはクライアントごとに作成し、作成時に
output_enter を送ります。ウィンドウが出力間を移動したとき(出力切断時の
フォールバックを含む)は layout.retargetToplevel() が
output_leave/output_enter を送るため、タスクバーは正しいモニタに表示
されます。Tessa に対応状態がないため minimize/maximize 要求は実装して
いません。
input.zig:
- seat、cursor、xcursor manager を作成する。manager は
cursor_theme/cursor_sizeを使い、設定リロードで作り直す。テーマを 読み込めない場合はシステムカーソルへフォールバックする input_policy.zigでデバイス別 libinput ルールを適用する。ポインタ/ タッチパッド設定と Tessa 適用前のスナップショットを保持し、リロード時に 元のデバイス状態へ戻せるようにする- すべてのポインタを
wlr_cursorにアタッチする - ユーザー環境と設定(
kb_layout、kb_variant、kb_options、kb_model、kb_rules、repeat_rate、repeat_delay)から XKB キーマップを作成する。Super+Rは再起動せずにキーマップを作り直す - 物理キーボードがない場合はフォールバックの
wlr_keyboardを作成し、 headless セッションでも seat のキーマップと XWayland が動くようにする - 物理/仮想キーボードをアタッチし、キーボードの出現やキーマップ変更時に フォーカスを再送信する
- キーボードイベントをフォーカス中のサーフェスまたはキーバインドへ ルーティングする
- 名前付き入力モードをサポートする。モード固有バインドは優先され、
修飾キーなしでもマッチし、グローバルバインドへフォールバックする。
未割り当てキーはフォーカス中のクライアントへ渡る。アクティブモードは
状態と JSON の
MODE/modeで公開される - クリックでフォーカス、フローティングの移動/リサイズ、ポインタ転送を 実装する
request_set_cursor、cursor-shape-v1、選択リクエストを処理する- ゲーム向けに相対ポインタ(
relative-pointer-v1)の移動量を送信する pointer-gestures-v1を公開し、設定済みのシェルスワイプを消費し、 それ以外のスワイプ/ピンチ/ホールドをフォーカス中のクライアントへ転送するwlr-virtual-pointer-v1を公開する。仮想ポインタも同じカーソルへ 接続されるため、物理デバイスなしで headless テストからバークリック、 フォーカス、ドラッグを実行できる- タッチ/タブレットデバイスをカーソルに接続し、タッチ点をシーンの ヒットテスト経由で配送し、tablet-v2 のツール/パッドイベントを転送する
- カーソル移動前に有効な pointer constraint を適用する
- パネルがキーボードフォーカスなしでセレクション変更を監視し、クリップボード
マネージャーになれるよう
wlr-data-control-v1を公開する - キー/ポインタ/タッチ入力時に idle notifier へアクティビティを通知する
入力メソッドがキーボードを grab している間、生のキーイベントと modifier の
変更は、WM のバインドやフォーカス中のクライアントに届く前に
wlr_input_method_keyboard_grab_v2_set_keyboard へ転送されます。入力
メソッドはキーマップの専用コピーを受け取り、text-input-v3 経由で何を
確定するかを決めます。
xdg-activation-v1 のリクエストは、クライアントのワークスペースへ切り替えて
フォーカスします。xdg-decoration はサーバーサイドモードで広告され、
GTK や XWayland のクライアントが Tessa のボーダーの上にクライアント
サイドのタイトルバーを描画しないようにします。
キーバインドは正規化した modifier mask(Shift/Ctrl/Alt/Logo)と keysym を
比較します。Shift 付きの数字と Tab では level-0 の keysym も試すため、
レイアウトの Shift 側 keysym に関係なく Super+Shift+1 と
Super+Shift+Tab が動作します。
layer がキーボードフォーカスを持つ間は WM ショートカットをバイパスし、 すべてのキーを layer へ転送します。これによりランチャーで文字入力が できます。
タッチ、タブレット、ジェスチャ、pointer constraints
Section titled “タッチ、タブレット、ジェスチャ、pointer constraints”gestures.zig は wlr_cursor の libinput スワイプ/ピンチ/ホールド信号を
監視し、pointer-gestures-v1 グローバルを作成します。layer がキーボード
フォーカスを持たず、指の本数が gesture_fingers と一致するスワイプは
シェルが消費します。横移動が gesture_workspace_threshold を超えると
layout.switchWorkspaceOnOutput() でワークスペースを切り替え、上方向が
gesture_launcher_threshold を超えるとランチャーイベントを発行します。
それ以外のジェスチャ、および gestures = false の場合は
wlr_pointer_gestures_v1_send_* でクライアントへ転送します。
touch.zig は wlr_cursor の touch down/motion/up/cancel/frame を処理
します。デバイスの正規化座標を
wlr_cursor_absolute_to_layout_coords() でレイアウト座標へ変換し、
シーンをヒットテストして wlr_seat_touch_notify_* で送ります。
タップされたクライアントはフォーカスし、キーボード操作可能な layer は
layer としてフォーカスします。既存タッチ点の移動は
scene_util.surfaceOrigin() を使ってサーフェスローカル座標に変換するため、
点がサーフェス外へ出ても座標が壊れません。タッチデバイスを追跡し、
存在するときだけ seat が WL_SEAT_CAPABILITY_TOUCH を広告します。
パネルも同じバー/オーバーレイのヒット矩形でタッチを受け付けます。
tablet.zig は wlr_tablet_manager_v2、デバイスごとの
wlr_tablet_v2_tablet、ツールごとの遅延生成される
wlr_tablet_v2_tablet_tool 状態を作成します。axis イベントでカーソルを
移動し、tablet-v2 の proximity を確立して、motion、pressure、distance、
tilt、rotation、slider、wheel を転送します。tip とツールボタンは
tablet-v2 対応サーフェスでは tablet イベントを送り、非対応なら左右の
ポインタボタンとしてフォールバックします。パッドのボタン、リング、
ストリップ、モード変更はフォーカス中のサーフェスへ送ります。
scene_util.zig はタッチ/タブレット/constraints が共有する
サーフェス/クライアント/layer 検索とサーフェス原点計算を提供します。
constraints.zig は wlr_pointer_constraints_v1 を所有します。新しい
constraint は set_region/destroy リスナー付きで追跡し、
layout.focusClient() と layout.focusLayer() が
constraints.focusSurface() を呼ぶことで、新しくフォーカスされた
サーフェスの constraint を有効化し、以前のものを無効化します。
locked pointer は relative-pointer イベントを送った後に相対移動量を
ゼロにし、confined pointer はサーフェスローカルのリージョンに対して
wlr_region_confine() を実行します。有効化時とリージョン変更時には
必要ならカーソルをリージョン内へワープし、locked pointer のカーソル
ヒントは無効化時に適用します。設定リロード時は
pointer_constraints = false なら無効化し、そうでなければフォーカス中の
サーフェスを再評価します。
入力メソッド
Section titled “入力メソッド”ime.zig は zwp_text_input_v3 と zwp_input_method_v2 のコンポジタ側を
実装します:
- クライアントの text-input オブジェクトごとに
TextInputラッパーを持ち、 enable/commit/disable と現在の周辺テキスト、カーソル矩形を追跡する focusSurface()がenter/leaveを送り、フォーカス中のクライアントの 状態で入力メソッドを activate/deactivate する- 入力メソッドの
commitを、プリエディット/確定/削除のリクエストから text-input-v3 のイベントへ変換し、doneを送る grab_keyboardをフォーカス中の seat キーボードから転送し、入力メソッドの 切断時に grab を解放する- 入力メソッドのポップアップサーフェスを
tree_popupのシーンノードとして 扱い、text-input のカーソル矩形から配置する(出力端でクランプ)
入力メソッドの状態は、text-input の active_features マスクに関係なく
送信します。Fcitx5 はカーソル矩形を渡す前の enable commit で状態を送るため、
active_features だけに頼ると候補ポップアップが原点に固定されてしまいました。
そのためコンポジタは、最新の確定済みカーソル矩形が非ゼロならそれを使います。
XWayland
Section titled “XWayland”Tessa は wlroots のプロセス内 XWayland ではなく、バックエンド起動後に
xwayland-satellite を spawn します。satellite が X サーバを所有して XWM を
実行し、X11 ウィンドウを xdg-shell トップレベルとして Tessa に見せるため、
既存のタイル、ワークスペース、フォーカス、タスクバーのコードがそのまま
X11 アプリを扱えます。
重要な点:
- satellite の起動前にフォールバックキーボードが存在する必要があります。
Xwayland 24.x は起動時に親 seat のキーマップから自分のキーマップを
コンパイルします。キーボードがないと
XKB: Failed to compile keymapで失敗します。 - spawn した子プロセスでは
SIGCHLDをSIG_DFLに戻します。Tessa は 自分の子プロセスのためにSIGCHLDを無視していますが、その設定を継承 すると Xwayland の xkbcomp ヘルパーの wait が失敗し、キーマップの コンパイルが中断されます。 DISPLAYは/tmp/.X11-unix/X<n>と/tmp/.X<n>-lockを走査して最初の 空きディスプレイを選び、Tessa の環境へエクスポートします。spawn した クライアントはすべてこれを継承します。xim.zigはクライアント起動前にXMODIFIERS=@im=<xim_server>を設定 します。xim_startが設定されている場合はタイマーで選択した X ソケット の出現を監視し、出現後にだけ XIM サーバを起動します。これにより ディスプレイ準備前の起動を避けます。XIM 自体は X11 のクライアント/ サーバプロトコルであり、Tessa はプロキシせず、環境と起動順だけを 提供します。xdg-decorationはサーバーサイドで処理します。これがないと satellite は クライアントサイドの装飾にフォールバックし、独自のタイトルバーを 描画します。
output.zig が wlr-output-manager-v1 を作成し、実際のレイアウト位置で
ヘッド一覧を更新します。wlr-randr --output ... --mode/--pos/--scale/ --transform を利用できます。apply リクエストは wlr_backend_test で
アトミックに検証して commit し、設定ヘッドの状態から出力レイアウトを更新
します。layer の配置を再計算し、位置をクライアントへ再通知します。
apply が成功したとき、および実行中にレイアウトを明示的に選んだときに、
現在の出力セットを outputs.conf(既定は
$XDG_CONFIG_HOME/tessa/outputs.conf)へアトミックに保存します。output
行には名前、ピクセルモード、リフレッシュ、レイアウト位置、スケール、変換が
入ります。続く layout 行は実行中の上書きだけを
layout OUTPUT WORKSPACE MODE 形式で保存し、設定の既定値は書きません。
new_output では一致する出力設定をシーン出力追加前に適用し、位置は保存
されたボックスから決めます。保存モードの適用に失敗した場合は優先モード/
headless 既定へフォールバックします。その後、一致する出力の保存済み
レイアウトが設定の初期値を置き換え、そのワークスペースを上書き済みに
します。不正・欠損エントリは無視されます。ファイルはモード 0600 で、
起動時には書き換えず、設定が変わったときだけ更新します。出力の enabled
状態はまだ永続化しません。出力電源管理プロトコルは別で、idle.zig が
処理します。
フラクショナルスケーリング
Section titled “フラクショナルスケーリング”main.zig はシェルのグローバルより先に wp_fractional_scale_manager_v1 を
作成します。wlr_scene_surface はサーフェスのプライマリ出力が変わった
時点で、フラクショナルスケールと優先整数バッファスケールをすでに通知します。
Tessa はさらに各 wlr_output.events.commit を監視し、
WLR_OUTPUT_STATE_SCALE が変わったときにシーングラフを走査します。
primary_output がその出力である各シーンサーフェスに対して
wlr_fractional_scale_v1_notify_scale() と
wlr_surface_set_preferred_buffer_scale(ceil(scale)) を呼びます。これにより
wlr-randr --scale 1.25 が、新規クライアントだけでなく既に map 済みの
クライアントにも反映されます。
フラクショナル対応クライアントは正確なスケールで描画します。非対応
クライアントは整数の切り上げ値を使い、シーンレンダラーがダウンサンプル
します。パネルは別クライアントで、Cairo の整数バッファスケールとして
切り上げ値を引き続き使います。XWayland のスケーリングは
xwayland-satellite に委譲し、同じフラクショナルスケールを利用します。
tests/fractional-scale.sh はコンパイルしたクライアントで 1.0 → 1.5 →
2.0 の通知経路を検証します。
セッションロック
Section titled “セッションロック”lock.zig が ext-session-lock-v1 を実装します。新しいロックを受け取ると:
- 通常のデスクトップのシーンツリー(
bg、layer、ウィンドウ、エフェクト、 オーバーレイ、IME ポップアップ)を隠し、全出力にブランクフレームを commit する - キーボード/ポインタフォーカスをクリアし、text-input を非アクティブ化する
- ロックサーフェスごとに
tree_lockへシーンサーフェスを作成する。tree_lockは他のすべてのツリーより後に作成されるため、デスクトップより 前面に描画される - ロックサーフェスにキーボード/ポインタフォーカスを与え、ロック中は仮想
キーボードのイベントを無視する。これによりクライアントが
virtual-keyboard-v1経由でパスワードを入力することはできない - デスクトップが隠れてから
lockedを送る
unlock_and_destroy ではリスナーを外しますが、ロックリソースの破棄は
クライアントのリクエストに任せます。unlock シグナルから
wlr_session_lock_v1_destroy を呼ぶと、wlroots の lock_destroy の
アサーションに再帰的に入ってしまいました。ロック中にクライアントが
切断した場合、Tessa は放棄されたロックを記録し、通常クライアントを露出
させずセッションを終了します。
idle と出力電源
Section titled “idle と出力電源”idle.zig が ext-idle-notify-v1、idle-inhibit-v1、
wlr-output-power-management-v1 のグローバルを作成します。入力イベントは
wlr_idle_notifier_v1_notify_activity を呼びます。可視の inhibitor を数え、
inhibitor が存在する間またはセッションロック中は
wlr_idle_notifier_v1_set_inhibited(true) を送ります。出力電源リクエストは
出力状態の enabled フラグを設定して commit します。これにより wlopm が
動作します。タイマーとポリシーはコンポジタの外に置き、swayidle が駆動する
想定です。
タイルとワークスペース
Section titled “タイルとワークスペース”layout.zig が状態遷移を管理します:
- 各出力が
active_ws、ワークスペースごとのws_layouts[]とlayout_overridden[]、last_focused[]を持ちます。ワークスペースと レイアウト選択はモニタごとに独立し、Super+1…9はピン留めがない限り フォーカス中の出力に適用されます。 workspace_pin = OUTPUT WORKSPACEはワークスペース番号をモニタに結び付け ます。switchWorkspaceOnOutputはピンを検索し、キー、ジェスチャ、IPC、 バー、foreign activation のすべての切り替え経路をその出力へリダイレクト します。出力が存在しないピンは無視されます。moveToWorkspaceは移動先 ワークスペースが別出力にピン留めされている場合、クライアントの出力を 変更し、フローティングジオメトリを出力原点間で移動させ、両方のlast_focused[]を更新して両出力を再配置します。CMD move-workspace <n>は同じ経路を自動化に公開します。- master: 1 つのマスター領域(比率、デフォルト 0.58)と縦スタック。
- mosaic: 再帰的なスパイラル。残りの各ウィンドウが現在の矩形の 62% を 取り、方向が左 → 上 → 右 → 下と回転します。最後のウィンドウが中央を 取ります。最大 8 ウィンドウまでスパイラルを使いますが、配置前に各 スライスがタイルを 160 論理ピクセル以上に保てるか確認し、保てない場合は 重なりや極端に細いタイルを作らず、ワークスペース全体をグリッド配置に 切り替えます。9 枚以上は最初からマスター/スタックです。
- grid: バランスの取れた行/列(
ceil(sqrt(n))列)。最終行が不完全な 場合は中央寄せします。 - columns: 等幅・全高のカラム。
- scrolling: Niri 風の横カラム列です。
scrolling.zigがカラムプールと、 出力・ワークスペースごとのScrollWorkspace(カラム順、フォーカス位置、 viewport の現在値/目標値)を管理します。モードに入ると可視タイルを現在の 順序で 1 窓 1 カラムとして取り込み、モードを離れるとカラム順をserver.clientsに flatten するため、並べ替えはモードをまたいで維持されます。 1 カラムに複数窓を縦積みでき、ウィンドウグループはタブ付き 1 カラムとして 描画します。幅は viewport に対する割合(ボーダー込み)か、クライアント幅 + ボーダーの固定値です。maximize-columnは viewport 幅を使い、解除で元の幅を 復元します。カラム内の高さは viewport をgaps込みで均等分割します。 表示位置はviewport.x + column_x - view_offsetで、目標値はcenter_focused_column(never、always、on_overflow)に従って フォーカスへ追従し、content_width - viewport_widthに clamp します。tickAnimations()がanimation_view_msをかけてview_offsetをview_targetへ補間し、0 またはanimations = falseでは即時反映します。 - monocle: フォーカス中のタイル(なければ先頭)だけを使用可能領域に 配置し、他のタイルのフレームは無効化します。フォーカス変更で再配置します。
- stacking(別名
deck): 先頭master_count窓をマスター領域に、 残りを右のスタック領域に重ねて配置し、フォーカス窓を最前面にします。 スタックが空ならマスターが全幅を使います。 - 並べ替えは swap ではなく挿入です。
reorderClientById()はクライアントを 指定位置の前/後へ移してタイルスロットを再構築し、swapは 2 つの位置を 交換します。フラット系ではタイル上の Super+左ドラッグでCursorMode.reorderに入り、6 px の閾値を超えるとフレームがポインタに 追従します。ポインタ下の窓はupdateBorders()でハイライトされ、離すと その前/後へ挿入します。Scrolling では同じドラッグがカラム全体の挿入に なり、Super+ホイールはクライアントへ転送せずview_targetを動かします。 閾値未満で離した場合は通常のクリックとして扱います。 Super+Tは設定されたlayout_cycle(既定はマスター → モザイク → グリッド → カラム)を巡回します。set-layout <name>はmaster、mosaic/spiral、grid、columns/column、scrolling/scroll/scroller、monocle、stacking/deck、customを受け付けます。明示的に選んだ実行中のレイアウトは 出力/ワークスペースごとに保持してoutputs.confに保存します。設定のlayout_Nは保存済み・実行中の上書きがないワークスペースの初期値だけを 設定します。設定の再読み込みでは、既存出力の上書きしていないワークス ペースを更新し、上書き済みのものは維持します。変更時は workspace と output を含むlayout-changeを発行します。- ワークスペース別の
workspace-ruleが gaps、外周 gaps、マスター比率をarrangeOutputに渡します。実行中のSuper+Ctrl+H/Lはアクティブ ワークスペースの比率を現在のセッション向けに変更します。 workspace-nameは固定の 1〜9 スロットに対する設定時の別名です。config.resolveWorkspaceReferences()がファイル全体の解析後に bind と ウィンドウルール内の名前を解決するため、宣言順は自由です。レイアウト状態、 ピン、ジェスチャ、永続化は数値インデックスのまま使い、テキスト/JSON 状態と パネルが表示用の名前を公開します。- スクラッチパッドは 10 番目のワークスペースではなく、出力ごとのフローティング
オーバーレイです。
Client.scratchpadが所属を示し、Output.scratchpad_visibleが表示状態を制御します。clientVisible()を 配置、フォーカス、ボーダー、IPC の占有数、パネルで共有するため、非表示の スクラッチパッドはフォーカスを得られずバーにも出ません。toggleScratchpad()とmoveToScratchpad()をバインドと IPC コマンドに 公開し、ワークスペース切り替えでオーバーレイを隠します。 - ウィンドウグループはタイルクライアントに共有
group_idと 1 人の アクティブメンバーを持たせます。clientVisible()が非アクティブ メンバーを隠すため、タイル配置はグループを 1 タイルとして扱います。 メンバーにフォーカスするとそのメンバーがアクティブになり、Super+Tab/Shift+TabはgroupNext()に振り分けられます。別 ワークスペースやスクラッチパッドへの移動でグループから外れ、グループは 実行時のみです。アクティブメンバーの終了・移動時は別メンバーを アクティブにします。 - 出力別の
output-ruleはレイアウト、gaps、外周 gaps、マスター比率/ カウント、モザイク比率/最小サイズ、グリッド列数を設定できます。rules.tuningFor()は出力/ワークスペースごとに、グローバル既定 < 全ワークスペース向け出力ルール <workspace-rule<ws=付き出力 ルールの順で解決します。seedOutputLayouts()は出力出現時に結果を適用し、applyConfigLayouts()は再読み込みで上書きされていないレイアウトを更新 します。実行中の比率変更はOutput.runtime_ratio[]に保持し、設定 再読み込みで消去します。arrangeOutput()と初期 configure サイズは同じTuning結果を使うため、gaps とレイアウトが食い違いません。 output-ruleはコネクタ名または EDID のmake/model/serialで マッチできます。rules.applyOutputPolicy()はadaptive-syncを解決し、 出力が対応していれば再構成を許可してWLR_OUTPUT_STATE_ADAPTIVE_SYNC_ENABLEDをコミットします。Output.adaptive_sync_base/policyにより、ルールを削除したとき VRR を 有効なまま残さず、ポリシー適用前の状態へ戻せます。layout_helper.zigは出力ごとに最大 1 つの常駐子プロセスをsocketpairで管理します。customレイアウトはヘルパー起動時にタブ区切りのHELLOを 1 回送り、その後は非同期のLAYOUTリクエスト (OUTPUT、AREA、VERSION 2応答後はフォーカス/緊急度付きWINDOW、END)を送り、 Wayland イベントループでVERSION/RECT/END応答を処理します。応答待ち の間は以前の矩形を維持し、リクエストは合流します。最初の応答までは マスターへフォールバックします。クラッシュ、タイムアウト、不正な応答、 ID 不一致ではその出力の子プロセスを停止してフォールバックします。 再試行は専用タイマーではなく、1 秒後の次回リクエスト時に遅延して行います。 コマンド変更時に再起動し、出力破棄と終了時に停止します。effect_helper.zigは全出力で最大 1 つの常駐子プロセスを管理します。 プロトコル 2 ではEFFECT/WINDOWスナップショットに tint を追加し、 key=value 形式で不透明度、角丸、ブラー、影、ボーダー幅、tint、ウィンドウ別 アニメーション時間/カーブを上書きできます。VERSION 1の応答は従来の 位置引数パーサで処理します。上書きはルール値と別に保持するため、ヘルパー 削除や不正応答でルール値へ戻ります。リクエストは合流し、タイムアウトや プロトコルエラーでは子プロセスを停止して上書きを破棄し、1 秒後の次回 refresh 時に遅延して再起動します。window_effects.zigはクライアントごとに最後に適用した不透明度、角丸、 ボーダー幅、tint、ブラー状態、サイズ、content buffer をキャッシュします。 同じ値の再適用は scene setter を省略してeffect_skipsを増やし、変更時はeffect_appliesを増やします。effect_applies、effect_skips、blur_nodesはperf(テキストと JSON)に公開され、renderingには 含まれません。blur と shadow のシーンノードは遅延生成され、フルスクリーン クライアントは blur をスキップします。エフェクト無効時はノードを作らないか 無効のままにします。extension_manager.zigは監視付き拡張プロセスを管理します。設定 マニフェストは id、command、API バージョン、権限スコープ、requires/after依存を持ち、config.resolveExtensionsがトポロジカル ソートして未知 ID、重複、循環を診断します。子プロセスには token を渡し、HELLO 1 <token>で IPC クライアントをスコープへ対応付けます。pidfd と 指数バックオフ(1 秒、2 秒、4 秒、以降 8 秒。10 秒以上安定するとリセット) で監視し、extension_ready_timeoutで認証しないプロセスを停止します。requiresは依存先のreadyを待ち、afterは順序だけに影響します。 トークンは起動ごとに再生成され、停止・終了・reload ではipc.revokeExtensionが認証済み接続を失効させます。token はサンドボックス ではなく協調的なガードレールです。panel_supervisor.zigは出力ごとに 1 つのパネル子プロセスを管理します。 Linux の pidfd を Wayland イベントループに登録するため、コンポジタ全体のSIGCHLD処理を変えずに終了を検知できます。再起動は上限付き指数バックオフ (初回 1 秒から最大 8 秒。失敗回数リセット後の下限が 500 ms)で、10 秒以上 動作したパネルは失敗回数をリセットします。 意図的な出力取り外しと終了時は監視を止めて子プロセスを終了します。通知 所有者の役割は再起動後も維持します。panel_modulesはパネルが作る surface/service を選択し、マスク変更時は子プロセスを再起動します。通知 所有権はnotificationsモジュールが有効なときだけ通知されます。ipc.zigのconfig-compareは候補パスを一時設定へ読み込み、両方の実効 設定テキストを作って診断と変更行を返します。応答前に実設定と環境を復元 します。perfはoutput.zigの scene-output コミット前後で収集した サンプルを返します。任意のHELLOは line protocol 1 をネゴシエートして ケイパビリティを返し、拡張 token も受け付けます。送らないクライアントは 従来の全権限経路のままです。src/api.zigが line、JSON-RPC、state/config、 layout、effect、extension API のバージョンを一元管理します。- オフライン検証は
tessa --check-configが担当します。パーサ状態だけを 確保してconfig.loadを呼び、診断を出力して終了します。Wayland display は 作成しません。設定 fuzz ハーネスの入口もこの経路です。 rules.zigはマップ時にメタデータが揃った後で宣言的ウィンドウルールを 評価し、設定再読み込み時には既存ウィンドウにも再評価します。マッチ対象は app-id、タイトル、出力で、小さな*/?ワイルドカードマッチャを使います。 アクションはフローティング/フルスクリーン状態、ワークスペース、 フローティングジオメトリを設定します。ルールによる移動はワークスペース ごとのフォーカス履歴を更新し、再読み込み経路は配置後にensureVisibleFocusを呼ぶため、キーボードフォーカスが隠れたウィンドウに 残りません。- ワークスペースは 1〜9 です。ワークスペースのウィンドウはフレームの シーンノードを無効化して隠します。隠れたワークスペースもパネルには 占有状況を報告します。
- フローティングウィンドウは
tree_floatingにあり、使用可能領域の 55% × 60% で中央に配置されます。Super+Alt+H/J/K/Lはフォーカス中の フローティングウィンドウを左上固定でリサイズします。サイズは 160×120 (または xdg-shell の最小サイズ)と出力範囲内にクランプされます。 - フルスクリーンはバー領域を含む出力全体と、フルスクリーンのシーンツリーを 使います。
- 方向指定のバインドでは空間的にフォーカスし、同じ出力に候補がなければ 隣接する出力へフォーカスが移ります。入れ替えは clients 配列内の位置を 交換して行い、タイル順序が変わります。移動先に同じ出力の候補がない場合、 ウィンドウは隣接出力へ転送されます。
タイル領域は、出力の使用可能領域(バーの排他ゾーン適用後)から
outer_gaps を引いたものです。ウィンドウ間の隙間は gaps です。ボーダーは
各フレームの矩形に含まれます。
config.zig は key = value ファイルと位置依存の include を、元のファイル
パスと行番号を追跡しながら解析します。数値、真偽値、色、レイアウト名、
バインド、フック、ウィンドウルール、include 先を検証します。問題は
Server.config_issues に保存され、CMD config の
diagnostic error path:line: message 行として公開されます。
リロード時は解析前に以前の Config をスナップショットします。新しい
ファイルにエラーがあればスナップショットを復元し、キーマップの再読み込み、
ウィンドウルールやレイアウトの適用を行いません。これにより失敗した
Super+R は何も変更しません。診断は残るため、
tessa-ctl config-check で理由を確認できます。初回起動は寛容で、既定値と
有効な行を使って起動しますが、診断は同様に報告します。
json_snapshot.zig がスキーマバージョン付きの state-json と
config-json スナップショットを組み立てます。転送は従来の行ベースの
コマンドプロトコルを使い、JSON は STATE_JSON/CONFIG_JSON と END の
間に送るため、既存クライアントに影響しません。
ソケット: $XDG_RUNTIME_DIR/tessa.sock(または $TESSA_IPC)、モード 0600。
新しい接続は購読するまで何も受け取りません。パネルは
CMD subscribe all を送り、以降は変更のたびに完全な状態スナップショットを
受け取ります:
STATEACTIVE 1OUT eDP-1 1 1 masterOUT HDMI-A-1 2 0 mosaicOCC 1 2OCC 2 0...FOCUSED 7STATUS\tweather\tTokyo 18C\tWIN\t7\t1\t1\t0\t0\tkitty\tnotes\teDP-1\t40\t30\t1100\t700\t0\t1\t0\t0\t1\t0\t0WIN\t8\t1\t0\t0\t0\tfoot\tshell\teDP-1\t1200\t560\t640\t480\t0\t1\t0\t0\t1\t0\t0ENDOUT 行は出力名、アクティブワークスペース、フォーカス中かどうか、現在の
レイアウト名を示します。WIN のフィールドはタブ区切りです: WIN、id、
workspace、focused、floating、fullscreen、app_id、title、出力名、x、y、
幅、高さ、scratchpad、visible、グループ ID、グループアクティブ、
on-screen、スクロールカラム ID、タイル位置。座標とサイズはコンポジタの
論理座標です。Scrolling のワークスペースはさらに VIEW(offset、
content 幅、viewport 幅、カラム数、フォーカス位置)と、カラムごとの COL
(index、x、幅、focused、maximized、tabbed、窓数)を出力します。
STATUS は id、テキスト、任意のクリックコマンドです。文字列フィールドでは
バックスラッシュ、タブ、CR、LF がエスケープされます。各パネルは WIN と
OUT を自分の出力でフィルタし、ワークスペースの占有状況をローカルで
再計算します。ステータスは全出力で共有されます。
購読とパネル → コンポジタのコマンド:
CMD subscribe state|events|allCMD stateCMD workspace <1..9> [output]CMD move-workspace <1..9>CMD focus <id>CMD close <id>CMD spawn <shell command>CMD launcher [query]CMD panel <calendar|power|clipboard|screenshot|media|tray|audio|extensions|module <widget-id>> [output]CMD layout [name] [output]CMD resize <dx> <dy>CMD configCMD reloadCMD float <id>CMD status <id> <text> (クリックコマンドとポップオーバーはタブ区切り)CMD quitCMD config は CONFIG マーカー、実効設定の key value 行、各
ワークスペースの layout_ws と workspace_tuning 行、解析済みウィンドウ
ルールの rule <raw> 行、diagnostic 行、END を返します。
tessa-ctl config の出力であり、コントロールパネルやデバッグ向けです。
CMD state-json と CMD config-json は、ツール向けのスキーマバージョン付き
JSON スナップショットを返します。
CMD workspace <n> <output> は指定したモニタのワークスペースを変更します。
output を省略したキーボード操作ではフォーカス中の出力が使われます。
CMD layout は巡回、CMD layout <name> はフォーカス中の出力へ設定、末尾に
output を付けると別モニタを対象にします。
CMD launcher [query] はフォーカス中の出力を含む構造化ランチャーイベントを
発行し、一致するパネルだけがランチャーを開きます。CMD panel calendar|power|clipboard|screenshot|media|tray|audio|extensions|module も同様に、
要求したポップオーバーと対象出力を持つ panel イベントを発行します。
module <widget-id> はステータスエントリのファイルベースポップオーバーを
開きます。状態のブロードキャストは Wayland イベントループの idle source で
まとめられ、状態購読者にだけ届きます。イベントもイベント購読者にだけ送られます。
拡張プレーン
Section titled “拡張プレーン”拡張 API は意図的にプロセスベースで、プロセス内プラグイン VM はありません。
event_names.zig が公開トピックを定義し、events.zig が
EVENT\t<topic>\tkey=value... 形式のレコードを組み立て、購読クライアントへ
配信し、一致する設定フックを TESSA_* 環境変数付きで起動します。トピックに
はウィンドウ/ワークスペース/スペシャル WS/レイアウト/入力モード変更、
出力追加/削除、ランチャー/パネル要求、アニメーションのライフサイクル
(開く/ワークスペーススライドの
animation-start/animation-done、終了スナップショットの
close-animation-start/close-animation-done)があります。監視付き拡張は
extension-start/-ready/-failed/-stop を追加します。
notification-action は直接ブロードキャストされ、フックとイベントルールを
経由しません。配信は
ベストエフォートで、コンポジタをブロックしません。ソケットバッファが
埋まったクライアントは切断されます。
ipc.zig がステータスエントリと状態スナップショットを管理します。
ステータス更新は通常のコマンドで、最大 8 件、以降の全スナップショットに
含まれます。各エントリはテキスト、アイコン、優先度、任意のクリックコマンド、
任意のポップオーバーパスを持ち、パネルがファイルを解析してアクション
コマンドを実行します。tessa-ctl はプロトコルの実例であり、シェルスクリプトから
便利に使えます。完全なスキーマと例は
EXTENDING.ja.md にあります。
panel/model.zig が状態、設定、時計、CPU/RAM サンプリング、検索結果を
保持します。panel/draw.zig に Cairo 描画があります。panel/main.zig が
Wayland クライアント、IPC、入力コールバック、アニメーション、poll ループを
所有します。Tessa は出力ごとに 1 つのパネルを起動します。各パネルは
wl_output をバインドし、TESSA_PANEL_OUTPUT で対象出力を選び、
layer-shell にその出力を渡します。状態行は対象出力でフィルタされるため、
各バーにはそのモニタのアクティブワークスペースとウィンドウだけが表示
されます。対象出力がない場合は最初の出力にフォールバックします。
- background: layer background、全端アンカー、排他ゾーン -1、空の入力
領域。configure ごとに壁紙を 1 回描画します。
bgから導出した、または 明示したbg_top/bg_bottomによる縦グラデーションに、任意のアクセント アート(wallpaper_art)を加えます。 - bar: layer top、上/左/右アンカー、設定可能な高さ(
bar_height、 既定 44)、上下左右マージン、高さと同じ排他ゾーン。ジオメトリ変更時は サーフェスを再作成。メニュー、時計、ワークスペースピル、ウィンドウチップ、 拡張ステータスのヒット矩形は描画ごとに再計算されます。パネルはconfig-reloadを受けると自分の設定とアプリ一覧を読み直します。 - 全パネルサーフェスは対象
wl_outputのスケールに追従します。バッファは論理サイズ * scaleで確保し、描画時に Cairo をスケールします。ヒット 矩形と IME 矩形は論理座標のままです。760x620 のランチャーデザインは論理 サーフェスへ均一にフィットされ、同じ変換を描画・ヒットテスト・IME カーソル 矩形に使います。 - overlay: 必要時に作成、layer overlay、全端アンカー、排他ゾーン -1、
キーボード EXCLUSIVE。全面透明/ARGB サーフェスです。モードに応じて中央の
ランチャー、時計の下のカレンダー、
TESSAマークの下の電源メニュー、 中央のクリップボード履歴、スクリーンショットの選択サーフェス、 メディア/トレイ/音量ポップオーバー、または拡張一覧を 描画します。暗い背景とパネルを同じサーフェスに描くため、パネルの外側を クリックすると閉じられます。ポップオーバーの ヒット矩形はパネル原点を加えたローカル座標で、電源メニューと クリップボード履歴ではキーボードがUp/Down/Enter操作に切り替わります。ポップオーバーを開くとpanelイベントが発行され、 パネルプロセスがlauncherイベントと同様に処理します。
overlay は 150 ms でフェード/スケールします。フェードアウト後にだけ 破棄され、layer サーフェスが破棄されるとコンポジタがトップレベルの フォーカスを復元します。ランチャーだけが text-input-v3 を有効にし、 それ以外のオーバーレイでは無効にします。
パネルの text-input
Section titled “パネルの text-input”ランチャーは開くときに seat 用の zwp_text_input_v3 オブジェクトを作成
します。enter 時に content type、周辺テキスト、変更理由、検索カーソルの
矩形を送って commit します。プリエディット文字列はアクセント色で
挿入位置に下線付きで描画され、確定文字列は検索語に追加され、
delete-surrounding リクエストも適用されます。Fcitx がキーボードを grab
している間は、コンポジタがパネルではなく入力メソッドへキーを転送するため、
確定した IME テキストがパネルの生キーフォールバックで二重に入力されません。
パネルの wl_keyboard キーマップは
xkb_keymap_new_from_buffer(..., size, XKB_KEYMAP_FORMAT_TEXT_V1, XKB_KEYMAP_COMPILE_NO_FLAGS) で読み込みます。xkb_keymap_new_from_string
の flags 引数に size を渡していたため、xkbcommon がすべてのキーマップを
拒否し、キーイベントは届いているのに生の文字入力が黙って無効になっていました。
クリップボード履歴
Section titled “クリップボード履歴”パネルは通常の wl_data_device ではなく
zwlr_data_control_manager_v1 を使います。wlroots は通常のセレクション
イベントをフォーカス中のクライアントにしか送らないため、バープロセスでは
フォーカスを得た瞬間の現在値しか見えません。data-control デバイスなら
フォーカスなしですべてのセレクション変更を受け取り、シリアルなしで
セレクションを設定できます。
履歴は一意なテキスト 8 件(各 16 KiB)をメモリに保持します。オファーごとに 優先度の高いテキスト MIME を選び、ノンブロッキングパイプでデータを要求して メインの poll ループで読み切ります。項目を選ぶと data-control ソースへ コピーし、UTF-8 と従来のテキスト MIME を提供して seat のセレクションに 設定します。この新しいセレクションもパネル自身にオファーとして戻ってきますが、 昇格済みの項目との重複を除外してフィードバックループを防ぎます。内容は ディスクにもログにも書き出しません。
スクリーンショット
Section titled “スクリーンショット”パネルは zwlr_screencopy_manager_v1 のバージョン 1 をバインドします。
撮影要求は対象 wl_output のフレームを作成し、buffer イベントで通知される
形式、物理サイズ、ストライドに合わせて wl_shm バッファを確保して copy を
送り、ready を待ちます。オーバーレイを開くのは ready の後なので、選択 UI
や暗いレイヤーが撮影画像に写ることはありません。
オーバーレイは出力全体を暗くし、Cairo の CLEAR 演算子で選択矩形をくり抜き
ます。ポインタの押下/移動/解放で範囲を追跡し、ドラッグなしのクリックまたは
Enter で全画面、Esc と右クリックでキャンセルします。取得済みバッファは
物理座標(論理選択範囲 × 出力スケール)でクロップされ、Cairo のイメージ
サーフェスから PNG として保存されます。既定の保存先は
~/Pictures/Screenshots で、screenshot_dir により変更でき、不足している
親ディレクトリも作成します。
パネルは GIO をリンクし、小さな C シム panel/notifications.c が専用の
GLib スレッド上でセッション bus の org.freedesktop.Notifications を所有
します。シムは Notify、CloseNotification、GetCapabilities、
GetServerInformation を実装し、NotificationClosed と ActionInvoked を
発行します。通知は socketpair 上のフレーム化バイナリプロトコルで Zig の
イベントループへ渡し、パネルからの閉じる/期限切れ/アクションは GLib
メインコンテキストへの呼び出しで戻すため、D-Bus アクセスはすべて GDBus
スレッド上に留まります。
各通知レコードは ID、タイムアウト、app/summary/body、最大 4 個の
アクション、任意のアイコン名/パス、プリマルチプライ済みネイティブ ARGB32 の
画面アイコンを持ちます。Notify は actions 配列と image-data /
image_path / icon-name ヒントを解析し、image-data は 64×64 までに
制限して行単位でコピーし、アルファをプリマルチプライします。
Zig 側は最大 4 件を保持し、ID による置換、期限切れ、tessa-notifications
という右上の layer サーフェスへの描画を行います。アクションボタンがある
場合はトーストの高さが増えます。カード本体のクリックは default
アクション、ボタンは ActionInvoked、× は閉じる操作になります。本文は
Pango マークアップとして解析できればマークアップ描画し、失敗時は
プレーンテキストへフォールバックします。アイコンは一般的な XDG アイコン
パスから読み込み、なければモノグラムを表示します。D-Bus 名を所有する
パネルがフォーカス中の出力にトーストサーフェスを描画し、フォーカス移動時は
サーフェスを作り直すため、単一の D-Bus 所有者のまま通知がアクティブな
モニターへ追従します。
システム表示とメディア
Section titled “システム表示とメディア”バッテリーとネットワークは panel/model.zig で 5 秒ごとに取得します。
バッテリーは /sys/class/power_supply/*/type=Battery、capacity、status、
ネットワークは /proc/net/route のデフォルトルートと /sys/class/net の
インターフェース状態を使います。wireless 属性があれば Wi-Fi と表示します。
どちらも読み取り専用のインジケーターで、幅に余裕があるときバーの右側に
表示されます。
panel/media.c は 2 つ目の GIO スレッドを動かします。セッション bus 上の
org.mpris.MediaPlayer2.* を定期的に探し、最初のプレイヤーの
org.mpris.MediaPlayer2.Player に Properties.GetAll を送り、再生状態、
曲名、アーティスト、プレイヤー名をフレーム化ソケットでパネルへ渡します。
再生/一時停止、次へ、前へは g_main_context_invoke 経由で MPRIS メソッド
呼び出しとして送ります。Super+M またはバーのチップで中央のコントロール
ポップオーバーを開きます。アルバムアートやプレイヤー固有のメニューは
取得しません。
StatusNotifier トレイ
Section titled “StatusNotifier トレイ”panel/tray.c は専用の GIO スレッドでセッション bus 上の
org.kde.StatusNotifierWatcher を所有します。RegisterStatusNotifierItem、
RegisterStatusNotifierHost、watcher プロパティ、登録シグナルを実装します。
登録された項目は 1 秒ごとに Properties.GetAll で取得し、Title、Status、
IconName、IconPixmap を通知/メディアと同じフレーム化ソケットでパネルへ
送ります。
IconPixmap はネットワークバイトオーダーの ARGB32 を並べた a(iiay) です。
パネルは Cairo ネイティブの ARGB32 に変換するか、IconName を一般的な
PNG アイコンテーマのパスから読み込みます。アクティベートとセカンダリ
アクティベートは GDBus スレッドへ戻します。バーに各項目を描画し、左クリックで
アクティベート、右クリックまたは Super+Shift+T でキーボード操作できる
トレイポップオーバーを開きます。DBusMenu は未実装のため、コンテキスト
メニューは提供しません。
panel/audio.c はワーカースレッドで wpctl(PipeWire)、pactl
(PulseAudio)、amixer(ALSA)を検出するか、パネル設定のコマンドを使います。
1 秒ごとにミキサーを取得してパーセントとミュート状態を解析し、コンパクトな
状態レコードをパネルへ送ります。音量上げ/下げ/ミュートは GIO スレッドへ
渡して非同期に実行し、その後再取得します。パネルはバー表示と
Super+Shift+A のポップオーバーを描画します。
ポータルと画面共有
Section titled “ポータルと画面共有”コンポジタは zwlr_screencopy_manager_v1、DRM fd があるレンダラーでは
linux-dmabuf、ext-output-image-capture-source-manager-v1、
ext-image-copy-capture-v1、ext-foreign-toplevel-list-v1、
zwlr_foreign_toplevel_manager_v1 を公開します。これらは
xdg-desktop-portal-wlr(xdpw)がソースを列挙し、フレームを PipeWire
ストリームへコピーするためのコンポジタ側プロトコルです。
packaging/portal/tessa.portal は XDG_CURRENT_DESKTOP=Tessa のときに
wlr バックエンドを選びます。セッション環境変数は main.zig と
scripts/tessa-session が設定します。xdpw は screencopy + dmabuf 経路か、
新しい image-copy-capture + 共有メモリ経路を使えます。テストハーネスは
プライベートな PipeWire デーモン、xdg-desktop-portal、xdpw を起動し、
CreateSession/SelectSources/Start/OpenPipeWireRemote を実行して、有効な
ストリームノードとリモート fd を確認します。
バッファと描画
Section titled “バッファと描画”各サーフェスは 3 枚の wl_shm ARGB8888 バッファを保持します。
wl_buffer.release リスナーがバッファを空きにし、3 枚とも使用中なら再描画を
延期して poll タイムアウトを 0 にします。バッファは configure のリサイズ時に
作り直されます。
Cairo が角丸矩形、グラデーション、墨だまり、太陽、粒子、バー、ランチャーを
描画します。テキストは Pango の小さな C API である panel/text.c 経由で
描画します。このシムが必要なのは、translate-c が GLib の
_Pragma ベースの非推奨マクロで失敗するためです。Zig 側は cairo.h と
text.h だけを含み、Pango/GLib は含みません。
アプリ一覧は XDG データディレクトリ内の .desktop ファイルから取得します。
Name[ja]/Comment[ja] があれば優先します。検索は名前、id、コメントに対する
スコア付きの大文字小文字無視マッチです。ランチャーはアイコンテーマを
読み込まず、モノグラムタイルを表示します。
イベントループ
Section titled “イベントループ”シングルスレッドで、Wayland display の fd、IPC fd、クリップボードパイプ、
通知/メディア/トレイ/音量サービスの socketpair を poll() します。タイマー
(1 秒の時計、2 秒の CPU/RAM、500 ms のカーソル点滅、16 ms の
アニメーション)は poll タイムアウトで実装しています。
wl_display_prepare_read/read_events を使って libwayland 内でブロック
しないようにしています。D-Bus とコマンド実行はワーカースレッドで行い、
コンポジタと向き合うパネルループを止めません。
ビルドと生成プロトコル
Section titled “ビルドと生成プロトコル”build.zig がコンポジタ、パネル、tessa-ctl をビルドします。Zig 0.17 で
@cImport が削除されたため、各プログラムは C API をヘッダー
(src/c_import.h、panel/c_import.h、src/ctl_c_import.h)で宣言し、外部の
translate-c パッケージがビルド時に c_translated モジュールを生成します。
コンポジタのヘッダーは WLR_USE_UNSTABLE 付きの wlroots 0.20 を含み、
-Dscenefx=false 以外では scenefx 0.5 も含みます。パネルは
layer-shell 用の生成済みクライアントプロトコル C をコンパイルします(これは
推移的に xdg-shell の xdg_popup_interface を必要とします)。tessa-ctl は
libc とソケットヘッダーだけを必要とします。
build.zig.zon が translate-c パッケージを固定し、初回ビルド時に取得します。
システムパッケージは translate-c モジュールと最終リンクの両方で pkg-config
から検出されます。protocol/ 以下の生成済みヘッダー/C はコミットされています:
xdg-shell-protocol.h— wlroots ヘッダー用wlr-layer-shell-unstable-v1-protocol.h— wlroots ヘッダー用layer-shell-client-protocol.h/.c— パネル用xdg-shell-client-protocol.h/.c— パネル/実行時シンボルtext-input-client-protocol.h/.c— パネルの text-input-v3 クライアント用wlr-data-control-unstable-v1-client-protocol.h/.c— パネルの クリップボード履歴用wlr-screencopy-unstable-v1-client-protocol.h/.c— パネルの スクリーンショット用ext-image-copy-capture-v1-protocol.h— wlroots キャプチャヘッダー用ext-image-capture-source-v1-protocol.h— wlroots キャプチャヘッダー用cursor-shape-v1-protocol.h—wlr_cursor_shape_v1.hが必要とするpointer-constraints-unstable-v1-protocol.h—wlr_pointer_constraints_v1.hが必要とするtablet-v2-protocol.h—wlr_tablet_v2.hが必要とする
障害時の動作
Section titled “障害時の動作”- パネルの切断はコンポジタが後始末します。パネルは IPC の EOF で終了します。
- 遅いイベント/状態購読者はイベントループを止めずに切断されます。フックは 独立したシェルプロセスで動くため、フックの失敗はコンポジタに影響しません。
- パネルがクラッシュしてもコンポジタは生存します。出力ごとのスーパーバイザが
pidfd で終了を検知し、上限付きの指数バックオフでパネルを再起動します。
pidfd による監視が使えない場合だけ
tessa-panelを手動で再起動してください。 - 出力が取り外されると、クライアントは残っている最初の出力へ移動します。 最後の出力が取り外されるとコンポジタは終了します。
- 無効なアプリ/desktop エントリはスキップされ、無効な設定値はクランプ されます。
xwayland-satelliteがない場合、子プロセスの exec が失敗し、Tessa は 動作を続けます。X11 クライアントはエクスポートされたDISPLAYに接続 できませんが、Wayland クライアントとパネルには影響しません。- 入力メソッドが接続されていなくても text-input の enter は追跡され、 クライアントは生のキーボード入力にフォールバックします。パネルは IME を 必須としません。
- layer-shell のポップアップは所有する layer サーフェスの下に描画されます。
ポップアップ作成後、
get_popupで layer と関連付けられる前に描画された ポップアップは無視されます。 - 各パネルプロセスは担当出力が消えると終了します(バーの layer サーフェスが 閉じられます)。他のモニタのパネルはそのまま残ります。
- コンポジタ終了時は
shutdown.zigがグローバル/出力ごと/キーボードごとの リスナーをwl_display_destroy前に外します。wlroots はこれらのシグナル リストが空であることを assert するため、xdg-shell のリスナーを残すと終了時に プロセスが abort していました。